INTRODUCTION

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未来が閉ざされても、幕は上がる。

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時は2065年、東京。
再び流行したウイルスによって社会は完全にロックダウンされ、
ミュージカルは“禁じられた行為”となって10年が経った。

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元俳優の8人は、セラピストを名乗る「キョージュ」のもとに集められ、
表現の場を失った絶望の中、心を閉ざしかけていた。

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思想弾圧の波は芸術へとおよび、スコアや台本は次々に焼却処分。
そして今日、最後の1枚までもが失われた——。

だがその夜、キョージュは密かに守り抜いていた5冊のスコアと台本を取り出す。
無名ゆえに検閲を逃れたそれらの物語を、彼らは違法と知りつつも演じる決意をするのであった。

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閉ざされた時代の片隅で、
ひそかに、ミュージカルが息を吹き返す。